【2024年】中国ECサイトの最新情報を徹底解説|越境EC対策に役立つ!
2024年が始まって早くも2ヶ月が経ちました。
今年中国進出を狙う日本企業にとって、中国の各デジタルプラットフォームに対する理解を深め、数字を把握することは非常に重要です。
本記事では中国のプラットフォーム、特にEコマースプラットフォームに関する最新情報をお届けします。
中国SNSの基本情報と最新数字
中国国内はグレート・ファイアウォール(金盾)の影響で独自のSNSが発展しています。国民の大半がインターネットに接続する手段を持ち、日々多くの情報が飛び交う中、各SNSの規模を正しく把握することが大切です。
まずは、中国の主要SNSと概要について、改めて紹介していきます。
なお、中国SNSプラットフォームでは、デイリーアクティブユーザー数(每日活跃人数/Daily Active Users)が規模感を表す指標として重要視されています。
WeChat(微信)
WeChat(微信) は、スマート端末向けのインスタントメッセージングアプリで、機能面から中国版LINEとも称されるプラットフォームです。
デイリーアクティブユーザー数は12億人を超え、中国の総人口である約14億人の大半が利用するまさに巨大プラットフォームと言えます。
Douyin(抖音)
国際版であるTikTokが世界中で人気を博しているDouyinは、ショートビデオSNSのマーケットリーダーとして知られています。
2023年9月時点でデイリーアクティブユーザー数は7.5億人に達し、前年比5.1%の成長を見せました。
視頻号(视频号)
視頻号(视频号)は、2020年よりWeChat内で提供開始した、ショートビデオ&LIVE配信機能のことです。新たな動画プラットフォームとして近年注目を集めており、デイリーアクティブユーザー数は4.6億人、月間アクティブユーザー数は最高で8.2億人ほどです。
Kuaishou(快手)
ショートビデオSNSの中国国内の先駆けであるKuaishou(快手)。
一時期ほどの勢いは失ったものの、2023年6月時点のデイリーアクティブユーザー数は3.8億人と、依然として人気があります。
小紅書(RED)
中国版Instagramのような位置付けの小紅書(RED)。デイリーアクティブユーザー数は約3億人です。
ソーシャルメディアとEコマース両方の機能を併せ持つプラットフォームとして、中国市場から近頃特に注目を集めています。
Weibo(微博)
2009年にサービス開始したWeibo(微博)は、既に中国市場に根付いた成熟したプラットフォームとなっています。デイリーアクティブユーザー数は2.6億人ほどで、既に小紅書(RED)がWeiboの数字を上回っています。
各SNSの特徴について、さらに詳しい情報を知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
【2024最新】中国マーケティングの基本とは?中国ECサイトや中国SNS、最新マーケットトレンドまで解説!
中国ECプラットフォームの基本情報と最新数字
中国にAmazonは無い?中国国内ECサイトといえば淘宝や京東
中国は人口の多さやインターネット普及率による影響で、世界最大のEC市場と言われるほどEコマースを利用する人が多い国です。
では、中国人ユーザーはどのようなECサイトを利用しているのでしょうか。
日本国内、あるいは世界中でよく使われる通販サイトと言えばAmazonです。以前は中国消費者向けにもAmazonのネット通販サービスが展開されていましたが、2019年7月にサービスを停止しました。現在は中国国内にAmazonのネット通販サービスはありません。
中国国内では、淘宝(Taobao/タオバオ)や京東(京东/JD)といった国内プラットフォームが普及しています。
長年淘宝や京東といったサービス開始から十数年が経過しているプラットフォームが利用されてきましたが、近年は新たなECサイトやSNS内のEC機能を利用するユーザーが急増しています。
本章では、近年ユーザーが増加している中国ECプラットフォームについて紹介します。
中国EC最新トレンド1:抖音电商(DouYin EC)
抖音电商(DouYin EC)とは、抖音のショッピング機能のことで、2020年6月にリリースされました。
ライブ配信や動画投稿の内に商品購入ページのリンクを差し込むことができ、動画内容に興味を持ったユーザーは抖音内でそのまま商品を購入することができます。
2023年の年間売上高は2.2万億元(日本円換算で約44兆円ほど)で、前年比40%の成長を見せ、淘宝(Taobao)や天猫(Tmall)を運営するアリババグループの競争相手として頭角を現しました。
▽詳細はこちらをご覧ください
中国EC最新トレンド2:拼多多
拼多多(ピンドゥオドゥオ)は2015年にサービスを開始した低価格路線のECプラットフォームです。
2023年の売上高は3万億元(日本円換算で約60兆円ほど)で、セール開催月である2023年11月時の時価総額はアリババを超え、1900億米国ドルという京東の4倍ほどの規模にまで達しました。
▽詳細はこちらをご覧ください
【2024】拼多多(Pinduoduo/ピンドゥオドゥオ)とは?メリット・特徴・ビジネスモデル利用方法や読み方をまとめました
中国EC最新トレンド3:视频号电商(視頻号EC)
先ほど紹介したWeChat内の機能である視頻号にもEコマース機能が実装されています。
売上高は5000億元と、DouYin ECや拼多多と比べるとまだ小規模ですが、急激に売上が増加している注目のプラットフォームです。流通総額(GMV)の成長率は3倍を記録しました。
▽WeChatの各機能についてはこちらをご覧ください
【2024】WeChat(微信/ウィーチャット)とは?危険性や機能、インバウンド事例やミニプログラムなど中国版LINEウィーチャットについて徹底解説
中国EC最新トレンド4:微商(WeChatビジネス)
微商とは、WeChatビジネスのことで、マイクロリテールとも訳されます。
WeChatの機能を通じて、自らがWeChat上で繋がっているユーザーに向けて商品の販売や広告宣伝を行うことを指し、企業だけでなく個人事業者でも売上が建てられることから一時期大きなブームになりました。
現在ではやや時代遅れになりつつありますが、AIやDouyinなどの別のプラットフォームを活用することで、新たな成長を見せつつあります。
中国EC最新トレンド5:私域电商(プライベートEC)
私域电商(プライベートEC)とは、外部のプラットフォームで広告宣伝や商取引を行うのではなく、SEO施策などを活かして自社が運営するWebサイトやアプリケーションにユーザーを引き入れて商業活動を行うことを指します。中国では私域流量(プライベートトラフィック)という、顧客とのやりとりを自社プラットフォーム内で完結させるマーケティング手法がここ数年流行しています。
インストール不要でWeChat上で動かすことができるWeChatミニプログラムや、親しい人向けのフィードであるモーメンツ機能(朋友圈)を活用した商取引は、既に中国第2のECプラットフォームと言えるほどの成長を見せています。ユーザー規模は既に5万億人に達し、WeChatの運営元であるテンセントが特別力を入れているわけではないのにも関わらず既に京東や拼多多の規模を超えています。
まとめ:日々変化する中国EC市場への理解を深めよう
中国のECプラットフォームの状況は刻一刻と変化します。日本企業で中国マーケティングを担当する皆様においては、今勢いのあるサービスは何なのか、自社に合うプラットフォームはどれなのかを見極めることが中国市場で成功を収める鍵です。
プラットフォームを選ぶ際には、中国消費者の行動心理や購買体験を考慮することでさらなる売上拡大が期待できるでしょう。
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