【2024】WeChat(微信/ウィーチャット)とは?危険性や機能、インバウンド事例やミニプログラムなど中国版LINEウィーチャットについて徹底解説

WECHAT(微信/ウィーチャット)とは、中国版LINEであり、中華圏最大級のメッセンジャーアプリです。
中国向けマーケティングを行っている担当者であれば、殆どの方がご存知だと思います。

しかしながら、
実際にどのように中国向けマーケティングに活用すればわからない……
どのような機能があるのかわからない……
現在どれくらいのユーザーがいるのか?どんな人が使っているのか?
ミニプログラムやWeChatPayなどの詳細が知りたい……
と、疑問に思う方も多くいると思います。
そこで本記事では、WECHAT(微信/ウィーチャット)の2022年版の最新情報や様々な機能を徹底解説します。

目次

WeChat(微信/ウィーチャット)とは?中国版LINEであり、中華圏最大級のメッセンジャーアプリ

WeChat(微信/ウィーチャット)とは、中国版LINEであり、中華圏最大級のメッセンジャーアプリです。中国版LINEと言われるだけあり、LINEと似たようなメッセンジャーやスタンプ、通話機能などが搭載されております。

また中国国内では微信(読み方weixin)とも呼ばれ、Tencent(騰訊)が2011年にリリースしました。リリース当初から人気に火が付き、中国の猟豹全球智庫という会社の調査によれば、WeChatのアクティブ利用率は80%超えという結果が出ており、QQが約36%、Weibo(微博/ウェイボー)に関しては約6%です。WECHAT(微信/ウィーチャット)の人気の高さが伺えます。

Weibo(微博/ウェイボー)との違いは?

Weibo(微博/ウェイボー)との違いは、WeChat(微信/ウィーチャット)のほうがクローズドな空間というところが大きいでしょう。日本に当てはめるのであれば、LINEとTwitterの違いです。Twitterにはリツイートという、拡散させる機能があり、情報を一気に拡散させることができます。一方、LINEにはリツイートという機能がありませんが、メッセンジャーアプリなので一対一で密なメッセージのやり取りができ、グループ機能を使えば、グループ内の人にメッセージを送ることができます。

つまり、Twitterが拡散力を使い、多くの人にアプローチできるのに対して、LINEはメッセンジャーアプリの特性を活かし、密なコミュニケーションが取れます。これはWeChat(微信/ウィーチャット)とWeibo(微博/ウェイボー)も同じです。

WeChat(微信/ウィーチャット)のユーザー数は月間11.3億人に

Tencent(騰訊)が発表しているデータによれば、月間アクティブユーザーは11.3億人を超えました。デイリーアクティブユーザーは10億人で、1日450億通のメッセージがやり取りされ、4億回の通話が発生すると言われております。中国人の殆どが利用しており、名実ともに中華圏最大のSNSになりました。

WeChat(微信/ウィーチャット)のユーザー層

老若男女幅広く使われているのがWeChat(微信/ウィーチャット)の特徴です。WeChat(微信/ウィーチャット)公式サイトの情報によれば、登録ユーザーは男女比が1.8:1、年齢層は18~25歳が約45%、26~35歳が約40%と2つの層で8割以上を占めています。

近年だと、55歳以上のユーザーも多く利用しています。特に55歳以上のユーザーは、子供や孫とのやり取りをWeChat(微信/ウィーチャット)で行うことが多いためと言われています。他にも、WeChat(微信/ウィーチャット)にはWeChatPayと言われる、電子マネー機能があり、それを利用する人が多いため、老若男女にも広がったと言われています。

WeChat(微信/ウィーチャット)の主な機能6選!WeChatPayやミニプログラム
など新たなるプラットフォームになりつつある

中国版LINEと言われているWeChat(微信/ウィーチャット)ですが、その機能はすでにLINEを超えています。中国では連絡のやり取りという目的を超えて、生活必需品とまでになっています。それではWeChat(微信/ウィーチャット)の主な機能を紹介します。

WeChat(微信/ウィーチャット)の機能①WeChatPay( 「お年玉」「ラッキーマネー」 、EC・タクシー配車・公共料金支払い、チケット購入等様々な場面に利用できる)

WeChat(微信/ウィーチャット)には、WeChatPayという電子マネー機能があります。LINEのLINE Payと同じような機能です。今や中国人の90%がモバイル決済を利用していると言われており、ほとんどの方がWeChatPayを利用して様々なものを購入しています。

ECやアプリ内課金や電子チケットの支払い、他にも公共料金の支払などにも利用されています。また、お年玉もWeChatPayで支払われることも多いそうです。

2018年度Wechatの公式発表によれば、WeChatPayでショッピングを支払いユーザーは2017年より1.5倍増、食事の支払いは1.7倍増、医療費支払いは2.9倍増加をしています。利用の幅が広がっていると考えられます。

2019/10/21の週間BCNの記事によれば、WeChatPayがLINE Payの加盟店でも利用可能になりました。

WeChat(微信/ウィーチャット)の機能②ミニプログラム

WeChatミニプログラムとはWeChat内で動く、ダウンロード不要のアプリです。
今までのiPhoneやアンドロイドのスマホであれば、App StoreやGooglePlayにアクセスし、アプリをダウンロードする必要がありました。個人情報を入力したり、各種設定に時間を取られたり、そもそもダウンロードする行為自体が「めんどくさい」と感じるユーザーも多いと思います。

しかしながら、WeChatミニプログラムであれば、ダウンロードする必要がなく、WeChat内でゲームをしたり、ショッピングをしたり、動画を楽しんだりできます。イメージとしては、WeChat内にApp StoreやGooglePlayのような機能があり、ダウンロードが不要でアプリが使えます。

WeChatミニプログラムに関して詳しい情報は下記の記事をご覧ください。

 

 

WeChat(微信/ウィーチャット)の機能③モーメンツ(友達圏)

モーメンツとは「自分で投稿した記事を友達同士で共有しあう機能」です。LINEの機能に当てはめると、タイムライン機能になり、Facebookだとフィード機能のように、友達の投稿が一覧となってみることができ、いいねやコメントができます。

WeChat(微信/ウィーチャット)の機能④発見(シェイク・近くの人)

シェイク機能は、その時近くでシェイクをしている人とマッチングしてくれる機能です。ある意味、出会系アプリのような機能と言えるでしょうか。

上記の様にスマホを上下にふると、今、近くでシェイクしている人と連絡が取れるようになります。基本的には近くの人が表示されることになっていますが、かなり離れた場所の人も出るようになっています。

WeChat(微信/ウィーチャット)の機能⑤音声を聞くのが不便な場合はボイスを文字に変換する

中国語による相手の音声メッセージを文字に書き起こしてくれる機能です。なまりの少ない若い中国人の中国語なら、かなり高い精度で書き起こしてくれます。

その精度の高さから、近年の中国人の方々は、チャットを打ち込むのがめんどくさく感じるのか、チャットしたい内容をそのまま、話しかけて、文字起こし機能でチャットする人が増えています。日本でもイヤホンをしながら、スマホに話しかけている中国人を見た際は、そのような使い方をされているかもしれません。

音声によるメッセージが届いたら、その音声メッセージ部分を長押しします。すると、「听筒播放」、「收藏」、「转文字」という項目が出現しますが、この内の「转文字」を押せば、そのまま音声を書き起こしてくれます。

WeChat(微信/ウィーチャット)の機能⑥公式アカウント

公式アカウントとは、テンセント社に登録をして、発行することができるビジネス用のWeChat(微信/ウィーチャット)アカウントです。LINEに当てはめると、ラインアットのような機能です。

公式アカウントと友達登録をするとクーポンを発行したり、お得なセール情報を発信したり、お客様とメッセージのやり取りをすることができます。お客様とより、密なコミュニケーションを取ることができ、商品販売や来店促進につなげることができます。

WeChat公式アカウントには3種類ある

公式アカウントは全部で3種類あり、 その中でもサービスアカウントでマーケティングを行うことが有効です。

WECHAT(微信/ウィーチャット)公式アカウントは、顧客ロイヤリティの向上やVIP顧客の囲い込みなど、主にCRMを目的として、300万社を超える中国企業に利用されています。 一般ユーザーへ友達のようにチャット(通知)を送れるほか、最大11億人超のユーザーへターゲティング広告を配信したり、決済機能を利用して商取引をおこなうこともできます。

サービスアカウント

一般企業のプロモーション活動やマーケティング活動に適したアカウントです。
個人ユーザーとは友達関係のような形で繋がることができるため、フォロワーに対して高い確率で情報を届けることが可能となります。LINEに当てはめるとLINE@になります。

購読アカウント

メディアや個人向けに用意されているアカウントです。
毎日記事を配信することが可能な一方、通常のチャット画面に投稿は表示されません。ニュースサイトのようなコンテンツ配信をおこなう場合に有効な場となります。

企業アカウント

企業内のクローズ環境で使うためのアカウントです。
中国国内はメールの利用率が低く、多くのコミュニケーションにチャットを用います。情報漏えいリスクを減らすため、企業内専用チャットを導入する企業が増えています。LINEに当てはめると、LINE WORKSのような機能です。ChatWorkやスラックも近いでしょう。

WeChat(微信/ウィーチャット)の機能⑦広告配信

WECHAT(微信/ウィーチャット)の公式アカウントを取得すると広告配信ができるようになります。その中でも主に使われる広告手法である3種類の広告を説明します。

朋友圈广告(モーメンツ広告)

朋友圈广告(モーメンツ広告)とは
テンセントソーシャルアド公式サイトより引用

WECHAT(微信/ウィーチャット)モーメンツ(LINEのタイムラインのような機能)上に、友達や他のユーザーの投稿に類似した形式で、広告を掲載することのできるサービスです。ブランド、店舗、商品やアプリの宣伝からクーポンの配信などに使うことができます。

公众号广告(公式アカウント広告)

公众号广告(公式アカウント広告)とは
テンセントソーシャルアド公式サイトより引用

公式アカウント上の記事に類似した形式で、記事の底部や中間部にバナー広告を掲載することのできるサービスです。広告主と掲載者が互いを選択することができる互选广告(相互選択広告)や、WiFi環境下でのみ表示される動画広告などのメニューもあります。ブランド、店舗、商品やアプリの宣伝からクーポンの配信などに使うことができます。

小程序广告(ミニプログラム広告)

小程序广告(ミニプログラム広告)とは
テンセントソーシャルアド公式サイトより引用

ミニプログラム上に、バナー広告を掲載することのできるサービスです。ブランド、店舗、商品やアプリの宣伝などに使うことができます。

中国人の主なWeChat(微信/ウィーチャット)の使い方

実際に中国人の方々はどのようにWECHAT(微信/ウィーチャット)を使うのでしょうか?利用方法について紹介していきます。

使い方①グループを作り、情報交換する

特定の趣味を持つ集団や、会社や学校での組織内でグループを作り情報を交換したり、コミュニケーションを取るためにWECHAT(微信/ウィーチャット)を利用します。

近年、訪日中国人観光客が増える中で、同日程で日本に訪れる人たちをまとめたWECHAT(微信/ウィーチャット)グループを作り、その中で日本旅行に関する情報を交換をするといった使い方をされている中国人の方もいます。クローズドなコミュニティーなので、様々な情報が飛び交います。

使い方②シェイクで出会いを求める

シェイク機能は、まさに出会系アプリのような働きをしています。この機能を利用して夜のお店などが客引きをしているケースもあります。

使い方③検索機能で情報を集める

日本も同じかもしれませんが、若者になればなるほど、大手検索エンジンでの検索の利用が減り、SNS上で情報収集するケースが増えています。それは、中国でも同じで中国版TwitterであるWeibo(ウェイボー)やWECHAT(微信/ウィーチャット)上の検索機能を活用し、情報収集します。

WECHAT(微信/ウィーチャット)上にも検索機能があり、モーメンツ、記事、公式アカウントやミニプログラム、または、WeChat上のトピックなども検索できるので、クローズドな情報もそうですが、それ以外のトレンド情報なども検索できるようになっています。

なぜ、WeChat(微信/ウィーチャット)は中国マーケティングで必要なのか?

WECHAT(微信/ウィーチャット)は中国向けマーケティングでは欠かせないよね。とよく言われますが、改めてなぜ必要なのでしょうか?中国向けマーケティングで必要な理由を改めて整理していきます。

WECHAT(微信/ウィーチャット)公式アカウントがホームページの代わりになる

SNS公式アカウントを軸とした中国のマーケティング手法
SNS公式アカウントを軸とした中国のマーケティング手法

中国マーケティングをする上でWECHAT(微信/ウィーチャット)の公式アカウントは、ホームページの代わりになります。いきなり中国版のホームページを作ることは、SEO対策したり、サーバーを中国に置いたりと非常にハードルが高いと考えます。SNSの公式アカウントであれば、ホームページを作るほどハードルは高くありません。さらに、偽物アカウントも多い中国では公式アカウントで発信すると信頼性が得られます。まずは公式アカウントを基盤にし、そこにアクセスを集める、フォロワーを増やすことを弊社、クロスボーダーネクストでは推奨しています。

口コミの重要性

訪日外国人消費動向調査、2018年年間値の推計
訪日外国人消費動向調査、2018年年間値の推計

中国人の方々は口コミの情報を重要視する傾向にあります。なぜならば、観光庁が発表している「訪日外国人消費動向調査、2018年年間値の推計」によれば、中国人が旅マエに役立つ情報源として、SNSの投稿が1位となっています。つまり、大多数の中国人の方々はSNS投稿を見て日本旅行の情報収集をしていると言えるでしょう。旅マエの情報源だけではなく、商品を買うときにweibo(微博/ウェイボー)上にて商品名検索を行い、口コミを調べてから購入する人も少なくはありません。さらに、WECHAT(微信/ウィーチャット)のモーメント上に友達の旅行写真が載っており、それらを見て旅行先を決めるケースも少なくはありません。

旅マエ〜旅アト全てをカバーできる

旅マエから旅アト:訪日ラボ引用
旅マエから旅アト:訪日ラボ引用

上記の図のようにSNSは旅マエから旅アトすべてのフェースにおいて接触のある媒体です。旅先を検討する段階で、友人が旅行に行ったSNS投稿を見て、その場所にいきたくなるかもしれませんし、旅ナカで近くのお店をSNSで検索するかもしれません。または、旅アトで思い出をSNSに投稿します。このようにSNSはインバウンドマーケティングを行う上で、カスタマージャーニー全てのフェーズにおいて重要な施策になります。

そもそも利用ユーザーが多い

中国の人口は13億人です。そのほとんどが利用しているマーケティングチャネルを利用しないてはありません。WECHAT(微信/ウィーチャット)の月間アクティブユーザーは11.3億人です。ほとんどの中国人にアプローチできるメディアです。

WeChat(微信/ウィーチャット)を活用したインバウンド対策の事例

具体的にWECHAT(微信/ウィーチャット)を活用したインバウンド対策や中国向けアウトバウンドにはどのように活用できるのでしょうか。事例を紹介していきます。

スターバックスWeChat活用の事例

中国でも人気のスターバックスもWeChatを活用しています。上記の写真はWeChat公式アカウントのものです。公式アカウントでは最新の商品やスターバックスのコラムなどを発信し、ファンの方々とコミュニケーションをとっています。

ミニプログラムを活用しECやクーポンを利用しているドン・キホーテの事例

訪日外国人観光客から絶大な人気を誇るドン・キホーテ。もちろんWECHAT(微信/ウィーチャット)にも力を入れており、日本企業では珍しく、先進的にミニプログラムを活用しています。ミニプログラムを活用しEC機能を作っています。上記の写真のようなEC機能がWECHAT(微信/ウィーチャット)内に作られており、商品をクリックすると下記のようにカート機能に移ります。

ミニプログラム内ではクーポンも発行可能であり、クーポンを活用したプロモーションも行っています。ドン・キホーテはミニプログラムを最大限活用しています。このようにWECHAT(微信/ウィーチャット)をうまく活用すると中国人に向けたプロモーションの幅が広がります。

まとめ:WeChat(微信/ウィーチャット)とは中国版LINEであり、中華圏最大級のメッセンジャーアプリ。ミニプログラムやWeChatPayなど新たなプラットフォームにもなりつつある

ほとんどの中国人が使うメッセンジャーアプリWECHAT(微信/ウィーチャット)。今では中国人向けにマーケティングをするのであれば欠かせないツールの一つと言っても過言ではないでしょう。新しい機能が続々増えている中、情報をキャッチアップするだけでも、担当者の方は大変なのではないでしょうか。

クロスボーダーネクストでは、これまで200社以上の中国向けマーケティングの支援をしてました。その中でも毎回WECHAT(微信/ウィーチャット)についての話題が上がります。弊社ではWECHAT(微信/ウィーチャット)を活用したマーケティングノウハウが蓄積されていますので、お困りごとがあれば気軽にご相談ください。

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