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中国の生成AIとは?人気の生成AIサービス7選と市場動向

Magnifying glass reveals a glowing neural network over Shanghai skyline with a Chinese flag nearby.

中国では、生成AIが「調べものをするための入口」として急速に浸透しています。中国インターネット情報センター(CNNIC)の第57次「中国互聯網絡発展状況統計報告」によると、2025年12月時点の生成AIユーザーは6.02億人、普及率は42.8%に達しました。

さらに、QuestMobileの2026年6月データでは、AI原生アプリの月間アクティブユーザー数は4.99億人。主要サービスでは豆包(Doubao)が3.82億人、千問(Qwen)が1.67億人、DeepSeekが1.29億人となっており、AI検索・AIアシスタントはすでに中国の生活者にとって身近な情報接点になっています。

中国市場に関わる日本企業にとって重要なのは、「検索対策=百度RED(小紅書)だけではない」という点です。REDは口コミや体験談を通じた興味喚起・信頼形成に強い一方、AI検索は商品の詳細確認、比較、「どれがおすすめか」といった意思決定の場として使われます。

本記事では、中国でAI検索がどこまで普及しているのかを整理したうえで、豆包、千問、DeepSeek、夸克、腾讯元宝、Kimi、纳米AI検索の7サービスを紹介します。最後に、日本企業が中国のAI検索時代にどのような情報発信を考えるべきかも解説します。

※本記事では、ChatGPTやGeminiのように、ユーザーとの対話を通じて質問回答、情報検索、比較、文章作成などを支援するサービスを「生成AIサービス」と表記します。中国でも各社が「AI助手」「AI搜索」「Agent」など異なる名称を使っていますが、本記事では読者に分かりやすく「生成AIサービス」に統一します。

中国で「AI検索」が急速に普及している

中国の生成AI利用者は6億人規模へ

CNNICによると、中国の生成AIユーザーは2025年12月時点で6.02億人、普及率42.8%です。中国のネットユーザーの4割以上が生成AIを使う段階に入ったことになります。

生成AIの利用は特に若年層や情報感度の高い消費者を中心に急速に一般化しています。訪日旅行を検討できる所得・情報感度の層では、生成AIを日常的な情報収集や比較に利用するケースが非常に多く、検索行動の前提そのものが変わりつつあります。

こうした現地の定性的な傾向は、生成AI利用者が6億人規模に達したCNNICの公的統計とも整合しており、中国向けインバウンド施策を考えるうえで重要な変化といえます。

AI原生アプリでは豆包・千問・DeepSeekが大規模ユーザーを獲得

QuestMobileの2026年1〜3月期データでは、中国のAI原生アプリ全体の月間アクティブユーザー規模は4.46億人。主要3サービスのMAUは、豆包3.45億人、千問1.66億人、DeepSeek1.27億人でした。

さらに2026年6月には、豆包3.82億人、千問1.67億人、DeepSeek1.29億人まで拡大しています。

なお、これらは「AI原生アプリのMAU」という特定の集計条件による数字です。複数サービスを併用するユーザーもいるため、各サービスの利用者数を単純に合算して中国全体の利用者数とみなすことはできません。

検索行動が「検索結果を見る」から「AIに聞く」へ

従来の検索では、ユーザーがキーワードを入力し、検索結果の一覧から複数サイトを開いて情報を比較する行動が一般的でした。

AI検索では、「東京で買い物するならどこがおすすめ?」「日本で買える人気コスメは?」「新宿でメガネを買うならどこがいい?」と自然な文章で質問すると、AI側が情報を整理し、候補や理由をまとめて回答します。

つまり企業側から見ると、これまでの「検索結果で上位に表示されるか」に加えて、「AIが生成する回答の中で自社・商品・店舗がどのように説明されるか」という新しい情報接点が生まれています。

中国の生成AIサービスとは?

生成AIサービスとは

生成AIサービスとは、ユーザーとの対話を通じて質問への回答や文章生成、情報整理、検索、比較などを支援するサービスです。日本ではChatGPTやGeminiが代表例で、中国では豆包、DeepSeek、千問、腾讯元宝などが同様の役割を担っています。

中国では「AI助手」「AI搜索」「Agent」など呼び方がサービスごとに異なります。また、チャットだけでなく、画像生成、文書作成、ショッピング支援、旅行計画、業務支援などへ機能が広がっています。

そのため本記事では、名称の厳密な分類よりも「生活者が情報を調べ、比較し、意思決定する際に使う生成AIサービス」という実務上の観点から整理します。

生成AIチャット・AI検索・AI エージェントの違い

生成AIチャットは、質問に対して文章を生成することが中心です。AI検索はそこに外部情報や検索機能が加わり、より新しい情報を参照しながら回答します。

AI エージェントはさらに一歩進み、ユーザーの目的に応じて複数の手順を考え、検索、比較、整理、場合によっては外部サービスの操作まで実行する方向へ発展しています。

中国の主要AIサービスでも、単なるチャットから「検索」「比較」「実行」へと機能が広がっており、今後はこれらの境界がさらに曖昧になる可能性があります。

中国で人気の生成AIサービス7選

ここでは、中国で利用規模が大きい、またはAI検索・AIアシスタント領域で存在感のある7サービスを紹介します。以下は厳密な人気ランキングではなく、中国市場を理解する際に押さえておきたい主要サービスとして選定しています。

豆包(Doubao)

doubao images

豆包はByteDanceが提供する一般消費者向けの生成AIサービスです。中国では非常に大きなユーザー基盤を持ち、QuestMobileによると2026年6月のMAUは3.82億人でした。

弊社の中国ネイティブ社員や、中国現地の取引先からは「豆包はみんな使っている」という声があり、日常的に気軽に質問できるAIとして浸透しています。ByteDanceの各種サービスやチャネルとの接点が多く、ToC向けに利用シーンを広げている点も特徴です。

一方で、利用の気軽さと回答の正確性は別に考える必要があります。ブランドや商品についてどのような情報が出るかは、実際の検索結果を定期的に確認することが重要です。

千問(Qwen)

Qwen logo: a purple Star of David emblem to the left of the word'Qwen' in purple.

千問はAlibaba系の生成AIサービスです。2026年6月のMAUは1.67億人。Alibabaの幅広いサービス基盤を背景に、単なる質問回答だけでなく、生活・買い物・業務など複数の利用シーンへの展開が進んでいます。

中国ECと関係の深いAlibaba系サービスであることから、中国向けECや商品情報を扱う企業にとっても注視したいプラットフォームの一つです。

DeepSeek

Blue whale icon circling a circle next to the word'deepseek' in blue lowercase letters (brand logo).

DeepSeekは、中国発の生成AIとして国内外で急速に認知を拡大したサービスです。QuestMobileによる2026年6月のMAUは1.29億人でした。

推論や調査用途で利用されることが多く、比較的複雑な質問を投げて情報を整理したい場面でも使われています。中国向けのブランド情報がどのように解釈・要約されるかを確認する際にも、主要なチェック対象になります。

夸克(Quark)

夸克はAlibaba系の検索・ブラウザサービスで、AI検索やAIアシスタント機能を強化しています。従来型の検索と生成AIの距離が近いサービスであり、「検索する」という既存行動からAI回答へ移行するユーザー接点として注目できます。

腾讯元宝(Tencent Yuanbao)

Tencent Yuanbao logo: green circular mark with a white curved swoosh and the Chinese text 腾讯元宝 underneath.
Tencent Yuanbao logo

腾讯元宝はTencentが提供する生成AIアシスタントです。TencentはWeChatをはじめ巨大な情報・コミュニケーション基盤を持つため、元宝単体の機能だけでなく、Tencentエコシステムとの接続が今後どのように進むかも重要です。

Tencent系AIサービスの利用規模は1億人を超える水準とされています。ただし、公開記事で具体的な数字を掲載する場合は、集計時点・対象サービス・MAU等の定義を確認してから使用します。

Kimi

KimiはMoonshot AIが提供する生成AIサービスです。長文の読み込みや情報整理などで知られ、調査・学習・業務用途でも利用されています。

大手プラットフォーム系とは異なる独立系AIサービスとして、中国AI市場の多様性を理解するうえで押さえておきたい存在です。

纳米AI検索

纳米AI検索は360系のAI検索サービスです。AI検索に加えて複数のAIエージェントを活用する方向性を打ち出しており、検索からタスク実行へ広がる中国AIサービスの一例として注目できます。

REDとAI検索は何が違う?中国市場では両方の対策が必要

中国市場で日本企業が特に理解しておきたいのが、RED(小紅書)とAI検索の役割の違いです。

CBNでは、REDとAI検索を次のように整理しています。

REDは、ユーザー投稿や体験談を通じて商品・ブランドを知り、「ちょっと気になる」「実際に使った人の口コミを見たい」という認知・興味喚起・信頼形成に強いプラットフォームです。

一方、AI検索は「この商品はどんな特徴がある?」「AとBならどちらがおすすめ?」「自分の条件ならどこへ行くべき?」といった詳細情報の整理、比較、おすすめの提示に向いています。

つまり、「中国市場の検索対策=RED」という考え方だけでは、今後の情報探索行動を十分にカバーできなくなる可能性があります。

特に中国のデジタルプラットフォームは、自社サービスの中でユーザー行動を完結させようとする傾向が強くあります。そのため、REDで露出すればAI検索にも自動的に反映される、あるいは1つの施策ですべてのAIに対応できる、と考えるのは適切ではありません。

SNSはSNS、AI検索はAI検索としてそれぞれ情報接点を確認し、そのうえで全体の中国マーケティング戦略として統合する必要があります。

AI検索の普及で中国マーケティングはどう変わる?

ブランド名を知らない段階からAIが比較候補を提示する

従来は、ユーザーがブランド名を知ったあとに検索し、公式サイトやSNS、ECモールで詳細を調べる流れが中心でした。

AI検索では、ブランド名を知らない段階でも「日本旅行で買うべき化粧品を教えて」「上海の人に人気の東京ショッピングスポットは?」といった質問から、AIが複数候補を提示します。

企業にとっては、指名検索を獲得する前の「候補選び」の段階にAIが介在することになります。

公式サイト以外の情報も重要になる

生成AIは、回答を作る際に公式サイトだけを見ているとは限りません。プラットフォームや質問内容によって、ニュース、SNS、口コミ、第三者メディアなど複数の情報源が参照されます。

そのため、公式情報だけを整えるのではなく、外部に出ているブランド情報が正確か、一貫性があるか、古い情報が残っていないかを確認することも重要になります。

日本企業の一部はすでにAI検索対策を開始

以前から中国マーケティングに積極的だった日本企業の一部は、すでにAI検索への対応を開始しています。

現時点では、特にインバウンド領域での活用が目立ちます。訪日前の中国人ユーザーがAIに「どこへ行くべきか」「何を買うべきか」と質問した際に、店舗・施設・商品が候補として正しく説明される状態を作ることが目的です。

個別企業の実施状況は非公開ですが、「AI検索対策はまだ誰もやっていない」という段階ではなくなりつつあります。

GEOとは?中国のAI検索で企業が考えるべきこと

GEOとSEOの違い

中国生成AI検索におけるGEOの解説

GEO(Generative Engine Optimization)は、生成AIやAI検索の回答の中で、企業・ブランド・商品について正確な情報が参照・推薦されやすい状態を目指す考え方です。

SEOが検索結果ページでの自然検索順位や流入を重視するのに対し、GEOでは「AIの回答にどう含まれるか」という観点が加わります。

ただし、AIへ情報を送れば必ず回答に掲載できるという単純な仕組みではありません。AIごとに参照する情報や回答ロジックが異なるため、まずは現状を確認し、情報不足や誤情報がある箇所を特定することが重要です。

AIが理解しやすいブランド情報を整備する

企業名、ブランド名、商品情報、店舗情報、価格帯、利用方法など、基本情報に表記ゆれや矛盾があると、AIが正しく整理できない可能性があります。

公式サイト、ECサイト、SNS、第三者記事など、主要な情報源で基本情報の一貫性を高めることが第一歩です。

ユーザーがAIに聞く質問を整理する

SEOではキーワードを設計しますが、AI検索ではより会話的な質問を想定する必要があります。

例えば「東京 コスメ 人気」だけでなく、「中国人に人気の日本コスメは?」「銀座で買いやすい日本ブランドは?」「敏感肌向けで日本旅行中に買える商品は?」といった具体的な質問です。

ユーザーがどのような状況・条件でAIに相談するのかを整理すると、企業側で準備すべき情報も見えやすくなります。

複数AIで自社ブランドの回答を確認する

中国では豆包、千問、DeepSeek、元宝など複数のAIサービスが利用されています。1つのAIで正しく表示されていても、別のAIでは情報が古い、競合だけが紹介される、店舗情報が不足するといった差が生じる可能性があります。

そのため、主要サービスで同じ質問を定期的に行い、自社ブランドがどのように説明されるかをモニタリングすることが重要です。

日本企業が中国AI検索を活用する際の注意点

AIの回答は常に正しいとは限らない

生成AIは便利ですが、誤情報や古い情報を回答する可能性があります。ブランド側が把握していない内容が表示されることもあるため、AIの回答を定期的に確認する必要があります。

GEOはSNS運用やSEOの代替ではない

AI検索が伸びているからといって、REDやDouyin、WeChat、百度、公式サイトが不要になるわけではありません。

中国のユーザーは複数プラットフォームを行き来しながら情報収集します。AI検索対策は、既存のSNS・検索・EC施策を置き換えるものではなく、新しい情報接点を補完する取り組みとして考えるのが適切です。

<参考・出典>

本記事の市場規模・利用者数に関する主な出典は以下です。

・中国インターネット情報センター(CNNIC)「第57次《中国互联网络发展状况统计报告》」
・https://www.100ec.cn/detail–6657847.html
・QuestMobile「2026年一季度AI应用洞察」
・QuestMobile「2026年AI应用市场发展半年报」

まとめ|中国市場ではAI検索も新しい情報接点として確認すべき

中国では生成AIの利用者が6億人規模に拡大し、豆包、千問、DeepSeekをはじめとするAIサービスが日常的な情報探索の入口になり始めています。

日本企業にとって重要なのは、「どのAIが一番人気か」だけではありません。中国のユーザーが商品、店舗、旅行先、ブランドをAIに質問したとき、自社が候補に入っているか、正しい情報が表示されているかまで確認する必要があります。

REDは口コミや興味喚起、AI検索は詳細情報・比較・おすすめというように役割も異なります。今後の中国マーケティングでは、SNS、従来検索、AI検索をそれぞれ別の情報接点として捉え、総合的に設計することが重要です。

クロスボーダーネクストでは、中国SNSやインバウンド施策に加え、中国のAI検索環境についても情報収集・検証を進めています。中国市場で自社ブランドがどのように検索・推薦されているかを確認したい場合は、お気軽にご相談ください。

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クロスボーダーネクスト株式会社編集部 クロスボーダーネクスト株式会社編集部
Cross-Border Next, Inc.クロスボーダーネクスト株式会社。2016年に創業し中国マーケティングやSNS、KOLマーケティングなどを中心にこれまで400社以上の企業を支援
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