Z世代最前線！2022年BILIBILIで最も流行った言葉”优雅”とは？

2022年もあっという間に終わりましたね。
年末にBILIBILI動画と中華書局は共同で「年度弾幕」を発表しました。

「年度弾幕」とは、過去1年間で最も流行し、最も代表的な弾幕を
BILIBILIが発表するBILIBILI内の流行語大賞のようなものです。

2017年より「年度弾幕」の発表が始まり、今年で6回目となりました。
過去三年で最も流行したものは以下になります。

■2021年「破防（pò fáng）」
心の防御線が突破され、感情が抑えられないの意味。

■2020年「爷青回（yé qīng huí）」
おじさんが青春に帰る、という意味で、懐かしいものを目にしたときに良く使われる。

■2019年「awsl （啊我死啦）」
「あ、私死んだ」の意味。可愛すぎる、かっこよすぎるものを目にしたときにキュン死するのような意味で使われる。

”弾幕”とは、他の人が投稿した動画上にユーザーたちが文字を流すことができる機能です。
日本のニコニコ動画にあるコメント機能と似たようなものです。
BILIBILIはZ世代が多いプラットフォームでもあり、多くの流行が弾幕から生まれました。

今回は2022年、BILIBILIでもっとも流行した弾幕について解説していきます。

こちらがノミネートされた弾幕一覧、そして一位に輝いたのが「优雅（yōuyǎ）」となりました。

「优雅（yōuyǎ）」とは直訳で「優雅」「上品である」という意味になります。

中国語の文脈では、芸術上の調和の美を形容したり、他人の文化的センスや礼儀作法を賞賛したりするために使われることが多いようですが、今年流行した「优雅（yōuyǎ）」は、BILIBILIのネットユーザーによってより豊かな意味を与えられました。

BILIBILI上での「优雅（yōuyǎ）」は、屈強な精神や、筋がね入りの腕前を持っていることで変化に驚かず、どんな状況でも余裕を持って安定した状態を保つを称賛するために使われています。

「优雅（yōuyǎ）」という言葉は、アニメ「スパイファミリー」から来た言葉だと言われています。

こちらはスパイファミリーに登場する、名門イーデン校の先生、ヘンリー・ヘンダーソンです。
彼の口癖は「エレガント」で、物事が「エレガント」であるか、「ノット・エレガント」で判断します。

スパイファミリーの中国語字幕では、彼の口癖「エレガント」が「优雅（yōuyǎ）」と翻訳されていることから、この言葉が流行ったのではないかと考えられています。

スパイファミリーは中国でも非常に人気のアニメで、なんと2022年のアニメランキングで一位を獲得しています。

中国の動画サイトで最も流行した言葉の語源が日本のアニメのセリフからだというのは少し不思議な感じがしますよね。
日本よりも流行の移り変わりが早いといわれる中国のネット文化。特に流行に敏感はＺ世代の間では驚くような速度で流行が生まれ、消えていきます。
素早くトレンドを理解し、取り入れることが中国マーケティングでは欠かせない要素の一つだと言えるでしょう。